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マニアック資格!? 経理・財務スキル検定(FASS)

 

 

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これまで様々な資格試験に挑戦してきたが、

まずは「経理・財務スキル検定」(通称FASS)を紹介したい。

けっこうマニアックな感じがするが、経理・財務の業務知識について定型業務に即した内容が問われるため、実務的・実践的な理解が求められる試験である。

 

経理・財務スキル検定(FASS)

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FASS(経理・財務スキル検定) 概要

 

この資格は、「一般社団法人日本CFO協会」が取り扱っている検定であり、

経済産業省の委託を受け、経理・財務⼈材育成事業事業の一環で実施されている。

大手企業等でも人材教育の一環で採用されているケースもあり、

会社の財務部門・経理部門での教育プログラムにも活用されていることがある。

 

出題範囲としては、以下の4つの分野に分かれる。

 ◆資産分野・・・売掛・買掛・在庫・固定資産 等の資産に関する知識

 ◆決算分野・・・月次・年次・連結 等の決算に関する知識

 ◆税務分野・・・税効果・消費税・法人税 等の税務に関する知識

 ◆資金分野・・・現預金・手形・有価証券・借入 等の資金に関する知識

 

かくいえ、私も地方メーカーの財務部門に所属する身であり、この資格の取得に向けて(最終的にAレベルを目指す)試験対策を行い、約2か月の勉強期間を経て、なんとかAレベル(760点)を取得することができた。

その結果に至った勉強の過程と、個人的な実践方法について参考までに紹介する。

  

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まずは実力試しの受験・結果

 まず、私の受験当時のバックグラウンドとしては、以下のような経験値。

 ◇金融業系での経理実務経験あり

 ◇現在は地方製造メーカーの財務部門勤務

 ◇当時の保有資格:日商簿記2級

 

ひとまず実力試しとして、特に試験対策をおこなわずFASS検定を受験。

受験申込みはFASSのホームページサイトにてオンライン申込みをする。

(新規登録をしてログイン。受験地や日時を選択して、申込み・料金支払い等の手続きを行う)

 

受験場所は地域ごとに指定されたところ(パソコン系の資格学校などが多い)に選択した日時に行くことになる。

会場はパソコン室のようなところで、与えられたIDとパスワードを入力して、自分のタイミングで試験をスタート。(平日午前だからか、他の受験者はいなかった)

 

問題文と4択の選択肢が表示され、の1つをマウスで選択し、100問を解答していった。制限時間は90分で、パソコン画面上に残り時間が表示される。

実際に解いてみた感じでは、案外時間は余るのではないだろうか。知ってる(解る)問題はどんどんと答えていき、知らない(解らない)問題はあまり考えこまず絞り込む、といった感じ。ずっと考え込むような問題・選択肢は少ない印象。

 受験結果

受験結果はパソコン室を出て、すぐに印刷されて渡される。結果は、648点(81%得点)のBレベル。実務でそれなりに理解していた分野も出題されていたので、資産・決算分野は比較的得点源になった。一方で苦手な税務・資金の分野では実務も関わったことがない内容も多く、なんとか運も味方にしてBレベルにギリ乗っかれたという実感。

あと1問落としていたらCレベルだったんだな、とスコア区分を見てきわどさを感じる。(100問・800点なので、おそらく1問8点と想定)

 

FASS 意外と攻略困難か!?

受験結果をふまえて、ここから本当の試験対策である。

実際のところ、得点を伸ばしていくのはけっこう難しいと感じた。

その理由は以下のとおりとなる。

 

1.出題範囲が広い

まず、出題範囲がとても広い。会計・税務・財務(ファイナンス)分野を幅広く含んでおり、簿記検定と出題範囲が重ならない部分も多い。一方で出題される論点は比較的浅い内容であるともいえる。

全体の出題範囲をある程度含んだテキストは以下のようなものがある。

 

★【会社「経理・財務」の基本テキスト1,2」(税務研究会出版局)

・・・FASSホームページにも紹介されているテキストになるが、どうも文章構成や書体が古めかしく、個人的には読みづらい。全部を通して読むのはかなりの難行になりそうである。(私はほとんど活用できず)

参考書として、わからない分野を参照するのはよいかもしれない。

 

2.勉強量と得点UPの因果関係がわかりづらい

 上記のとおり、出題範囲が広範囲のため、「これを読んで、解けばOK」といった他の資格試験にあるような鉄板材料を探すのは難しい。

また、合格・不合格といったわかりやすい試験ではなく、「〇〇点をとれば〇レベル」に相当するTOEIC的な検定であるので、よけいに”これだけの勉強をすればAレベルとれる!”とはっきりいえないのが悩ましい。なにしろ勉強の手ごたえを感じにくいのだ。

結局のところ「上記のテキストと公式問題集を解きまくる」といったことが王道になるのだろうが、それなりに時間を要するため、効率的な勉強法が求められる。

 

FASS Aレベルへ、私の勉強法

 お試し受験を経て、FASS Aレベルへの最短攻略を目指すことになるのだが、

私が実践した勉強法は以下の方法である。

 

1.公式学習ガイドを解きまくる

 FASSについては、毎年「経理・財務スキル検定公式学習ガイド(○○年度版)」が発売される。(毎年5月中旬ごろの発売か?)

これは公式学習ガイドというタイトルではありながら、実は問題集である。内容は始めのほうにFASS試験の概要が載っており、あとはほとんど問題と解答解説のみである。とにかく問題を2周・3周と解きまくることを実践した。

実際にFASS受験の実感として、「公式学習ガイド(問題集)に出てきた問題が本番試験に形を少し変えて出ていた」という印象が残っているため、選択肢の順番や問題文の表現を変えて少なからず出題されているものと思われる。(FASSはCBT試験のため、そのときの問題用紙はもらえないし、過去問も公開されてないため、記憶の中での感触)

つまり、公式学習ガイド(問題集)をそれなりに問題・解答を理解してやりこめば、

本番試験の得点にも相当効いてくるということがいえよう。

実際に私もこの公式学習ガイド(問題集)を3周+αほどやりこんで挑んだ結果、

FASS 760点(95%)Aレベル まで押し上げることができた。

やはり基本(公式)に則るのがよいと実感できた。

 

★【経理・財務スキル検定公式学習ガイド(2020年度版)】

 http://www.cfo.jp/fass/text_training/

※ホームページでは受験チケット+公式学習ガイドのセットのほうがお得。

11,000円(税抜)で買えるため、公式学習ガイドが実質1,000円(定価2,500円)で手に入る。

 

2.問題集を解きまくる

 公式学習ガイドを解く一方で、「この一冊だけやっていて大丈夫なのか??」という不安がわいてくる。FASS Aレベルは86%以上の得点率が必要なので、まったくもって気が抜けない。

そこでたまたま手にしたのが「FASSスピード問題集」である。

2回目の受験をしたのが2017年だったが、そのときでもこの問題集の発売年度が2014年であるため、「こんな古いのでいいのか?」という不安があった。

ただ実際に解いてみると、問題の内容自体は改正がある分野はほとんど見られず、基本的な定型業務に関する基本知識・考え方が主であるため、公式ガイドと平行して使えるアイテムとなった。

この「FASSスピード問題集」を、公式学習ガイドを1、2回解いた後で活用していくと、より違う論点からの出題にふれることができるため、よりその分野・項目に対する理解度が深まった印象だった。

公式ガイドだけでは不安な人、公式ガイドをやりきってまだ余力のあるひとは活用することでさらなる得点UPにつながるのではないだろうか。 

★【FASSスピード問題集 第2版 (TAC FASS研究会) 】

 

FASS まとめ

そういうわけで、これらの問題集2冊をやりこんだ結果、「FASS 760点  Aレベル」を取得できたわけであるが、最終的な勉強期間・内容は以下のとおり。

※勉強期間・・・約2か月

※上記問題集2冊を2~3回転(間違った問題を潰し込んでいく)

ペースとしては結構ダラダラとやってしまった印象であるが、最後はAレベル取得への執念で使った問題集を繰り返していった。

 

注意点としては、ただ問題とその解答を丸暗記するだけではなく、「問題文と解答を逆に出題されたときに答えられるか?」など、少し変化球の出題がされたときに対応できるかも得点UPへの重要なポイントとなる。

公式ガイドを軸に、どれだけ出題範囲の基本事項について網羅できるか、4択をいかに効率的に消去法などで取捨選択できるか、によってより高い得点につながるのではないだろうか。

受験者の得点UPに、なにかしら参考になれば幸いである。