『スプリント(Sprint)』が『T-Mobile』になった時(中)
スプリント株 放置する
スプリント株へ「カローラ」金額を突っ込んだあと、私はただただ放置することにした。
というより、自らに放置せざるを得ない状況を作っておいた。
その方法とは、スプリントへの投資額をNISA口座にすべて突っ込んだのだ。
NISAについては詳しい説明を割愛するが、NISA口座では年間120万円分について5年間非課税で口座に預けることができる。
(通常は株価が値上がりして売却益が出たら”利益の約20%”税金がかかる。これがNISA口座では売却益も、配当収入も非課税になる)
家族の口座も合わせて、「カローラ」相当額をNISA・スプリントに突っ込んだわけで、少なくとも5年間※は放置(ホールド)しなければ!という決意である。
(もちろん途中で売却はできるが、売却した時点でその非課税枠が消化されてしまうので、貧乏性の私は売却したくない)
※さらに法改正で5年間のNISA投資終了後、その終了時の評価額でさらに5年間、
NISA口座に繰り越し預け入れ(ロールオーバー)ができるようになった。
スプリントのV字回復
孫さんの「スプリント反転」宣言後、スプリントは経営改善の方向に進んでいくことになる。
米国通信第3位の座はT-Mobileに明け渡したままになったが、少なくとも手持ちの資金で電波改善を実施しつつ、2017年3月期には営業利益の黒字転換を果たす。
株価のほうも、2016年初頭の2ドル台で底打ちしてからは、翌年2017年には9ドル台まで大幅に改善をなし遂げることとなった。(ただし、その後株価は5~6ドル台まで下降)
ひとまずは、一時騒がれた「破綻」という加熱・憶測?の報道は消え失せた。
そして、いかにスプリント単体で勝負していけるか、さらにはT-Mobileとの合併可能性を探る展開へと方向転換していった。
スプリント、T-Mobileの合併合意
2018年4月29日、スプリントとT-MobileのCEOが共同で「株式交換による合併」を発表!!
あまり報道されていない中で、突然の発表が夜中に出ていて、個人的にも目が覚める思いで興奮していたのを覚えている。
(合併合意のプレス発表 引用:T-Mobileホームページより)
https://www.t-mobile.com/news/press/5gforall
「いよいよ念願の合併か!?」期待に胸を膨らませながら、株価を追っていったが、
「株価、下がっている!?・・・」
合併時の株式交換比率条件が悪かったのだ。
スプリント株1に対して、T-Mobile株 0.10256を割り当てるというもの。
T-Mobileが業績・シェアを大きく伸ばしていたため、時価総額にかなり差が開いていた。
そのためスプリント側に不利な条件で仕上がっていた・・・。
合併合意の発表前 6.5ドルあった株価も、5ドル台まで下落。その後も米FCCや司法省の承認懸念も出ていたため、合併の実現性が問われてその後も株価は横ばいすることになる。
合併承認の攻防戦
その後、米国の一部の州(民主党系?)が合併阻止のため裁判所に提訴するなど、株価も上下しながら見守ることになる。
一方で重要な政府機関の承認については、
◇2019年7月26日 米国司法省が合併を条件付きで承認
◇2019年10月16日 FCC(米連邦通信委員会)が合併計画を承認
合併承認の条件は揃い、一部の州による提訴の裁判動向次第のムードに。
裁判所の合併承認、合併完了へ
2020年2月11日、ニューヨークの連邦地裁が、スプリントとT-Mobileの合併を認め、
ニューヨーク州などが求めていた合併差し止め請求を退けた。(合併承認確定!)
これを受けて、株価は前日終値4.8ドルから8.5ドルへ跳ね上がった。
(米裁判所の合併承認記事 引用:日経オンライン)
2月21日には合併比率を修正すると両社が発表するも、ソフトバンクグループが持ち分を減らすのみとなり(一般株主は当初の合併比率のまま)、株価は10ドルを超える展開へ。
(スプリント・Tモバイル、合併比率を修正 引用:日経オンライン)
あとは合併完了を待つのみ、待ちに待った合併。
2015年からスプリントに投資し始めて、足かけ5年の投資成果がいったん確定の目処を迎えることになる。
無事に合併完了するか? スプリント株は持ち続けるべきか?
(続く)